ポルシェ製のエンジンにこだわるべき?マカン3のエンジンサウンドがマカン前期より小さく聞こえる理由が他にもあった

ポルシェ製のエンジンにこだわりますか?

いま乗っている前期マカンにスポーツエグゾーストの後付けを検討中です。

ですが、お金を出すなら、マカン3への乗り換えも検討しています。

そこで先日、ディーラーにマカン3GTS(J1NUA)を見に行きました。

まさにポルシェ沼ですね。。

車選びのポイントは人それぞれですが、僕は見た目やエンジンサウンド、馬力などです。

前期を買って、中期・後期を買わなかった理由は、前期のエンジンがポルシェ製だったこともあります。

そのお話について以前ふれており、ご興味ある方は以下よりご覧いただけます

前期マカンは、Audiとプラットフォームを共有しており、例えばタイヤハウスを覗くとAudiのマークが見えます。

部品の20%~30%はAudiと共通という話も聞きますが、エンジンは走りへの影響が大きいイメージがありました。

そのため「ポルシェに乗るなら、ポルシェ製エンジンがいいな」と考えていました。

でも、マカン3を検討するようになり、まずはAudi製エンジンの音も聞いてみたいと思いました。

Youtubeでは、マカン3のエンジンサウンドがたくさんUPLOADされています。

マカン3のGTSは440馬力で、ガソリンシリーズで最高出力です。

ただ、PCやテレビのスピーカー越しでは迫力がなく、実際のところよくわかりません。

なんとなく、前期マカンより、エンジン音が綺麗というか、整っている印象でした。

マカン3に乗り換えを検討していたこともあり、ディーラーに見に行くことにしました。

マカン3はエンジンサウンドが小さいかもしれない・・・

GTSの運転席に座り、イグニッションをONにしました。

「ブロロローンッ」

コールドスタートでエンジンがうなります。

「(エンジン音が小さいかも・・・)」

それが第一印象でした。

少し気持ちが冷めてしまいました。

マカンのアイドリングはバルブが開きます。

アイドリングで回転数を上げたときに聞こえるエンジンサウンドが、ほぼ限界だと思っています。

前期マカンより高出力のエンジンですが、おそらく効率的で高性能です。

それが影響して、エンジンサウンドが小さく聞こえるのでしょうか。

Audi製のエンジンだからでしょうか。

理由がわからずもやもやしたまま帰宅し、いろいろ調べました。

そこであることに気づきました。

騒音規制も影響 マカン3は91db 前期マカンは96db

日本の車検には騒音規制があります。

近接排気騒音というものがあり、販売時期や自動車種別等でMAXのdbが決められています。
※厳密にはMAXではなく、3750回転ですが、説明を優先してMAXとしています。

それを超えると車検がとおりません。

年々規制が厳しくなり、MAXのdbがどんどん小さくなっています。

マカンのような少人数の乗用自動車(リヤエンジン除く)の場合、次のように定められています。

まず、前期マカンは96dbがMAXです。

これは、前期マカンが平成10年騒音規制の対象だからです。

一方、マカン3は、91dbがMAXです。

マカン3が平成28年騒音規制の対象だからです。

つまり、MAXのエンジンサウンドが5db小さく、おそらくこれもエンジンサウンドが小さく聞こえた原因だと思っています。

前期マカンの車検証。96db。

マカン3の車検証。91db。

5db小さくなることは、音源から約2m離れることに等しい

「5dbなんて誤差でしょ。体感かわらないよ!」

そう思っていましたが、減衰という音の大きさと距離を表す関係式で数値化できるようです。

距離が離れると、どれくらいdbが小さくなるか=20×log (音源からの距離÷1メートル)

※logは対数です。ぎゅっと圧縮するというイメージです。
※参考文献 環境省 九州地方環境事務所  騒音セミナー第1日_配布用_20160209.pptx(半自由音場における距離減衰式) (環境省のサイトにリンクします)
どれくらい音dbが小さくなるか音源からの距離
約6.0db2m
約9.5db3m
約12.0db4m

この式で計算すると、音源から2m離れると音は約6db小さくなります。

言い換えると、マカン3から聞こえるMAXのエンジンサウンドの大きさは、前期マカンから約2m離れて聞こえるMAXのエンジンサウンドと同等になります。

マカン3のエンジンサウンドが大人しく聞こえた理由はこれかもしれませんね。

車を取り巻く環境は日々変化しており、いまの時代としては仕方のないことだと思います。

ポルシェ製のエンジンにこだわるか、どうか

先ほどのdbの話は、エンジンサウンドの大小に関わる話でした。

ポルシェ製のエンジンか、Audi製のエンジンか、その点がサウンドの大小にも影響しているかはわかりません。

先ほどの通り、マカン3に乗り換えると、エンジンサウンドの大きさでいうと、MAXは確実に下がります。

音の大きさ以外では、綺麗さというか、おさまりが良いというか、そのあたりが感覚的に異なる気がしました。

もしかしたら、それがポルシェ製のエンジンと、Audi製のエンジンの違いかもしれません。

マカンのエンジンがAudi製になったと知った時、僕はマカンがポルシェのメイン車種ではないからと思っていました。

もちろんこれは、フォルクスワーゲングループの効率化に波に乗った話なのですが、マカンだけAudi製のエンジンにされたのならば、余計に気になるところです。

ところが、海外のあるYoutubeでこんなとが言われていました。

「新型マカンと2代目パナメーラ4Sは同じエンジン」

つまり、パナメーラ4SもAudi製エンジンというのです。

「そんなことある?」と思いつつ、仕様を調べると、、

マカン3GTSパナメーラ4S
排気量2894cc2893cc
最高出力440ps440ps
最大トルク550(56.1)n・m(kg・m)/5600rpm550(56.1)n・m(kg・m)/5500rpm

似てますね。。。

この話の真贋わかりませんが、仮にそうだとすると、ポルシェ製以外のエンジンを採用することは、マカン以外にも進んでおり、避けられない流れなのかもしれません。

逆もしかりで、ポルシェ製V8エンジンをフォルクスワーゲングループに共有しているとしたら、まさにボーダレスです。

ポルシェ製エンジンにこだわることも良しですし、ポルシェの流れに乗ることも良しだと思います。

いずれにしても、ポルシェを検討中の方も、すでに保有している方も、皆様のカーライフがハッピーでありますように!

2025/7追記

Youtubeのコメントで、「GPF装着の有無も関係しているかもしれない」といただきました。

GPFとは、Gasoline Particulate Filter(ガソリン微粒子フィルター)のことで、エンジンから出てくる粒子(Particulate Matter)を除去する装置です。

ポルシェのニュースリリースによると、ヨーロッパでは2018年9月以降の新車はGPF搭載が義務化されたようです。

それにあわせて、ポルシェのラインナップも適合を進めているとか。

From September 1, 2018, the Worldwide Harmonized Light Vehicles Test Procedure (WLTP) measurement cycles apply to all new cars in Europe and a new emission standard is also coming into force.Porsche is therefore making its model range fit for the coming emission standards. The introduction of new emissions legislation makes it necessary to transition the model range to use a gasoline particulate filter (GPF) and obtain new type approvals no later than September 1, 2018. 

2018年9月1日より、欧州のすべての新車に世界統一自動車テスト手順(WLTP)の計測サイクルが適用され、新しい排出ガス基準も施行されます。そのため、ポルシェはモデルラインナップを今後の排出ガス基準に適合させる取り組みを進めています。新しい排出ガス規制の導入により、モデルラインナップをガソリンパティキュレートフィルター(GPF)搭載モデルに移行し、2018年9月1日までに新しい型式認証を取得する必要があります。

出典
2018/6/1 Porsche is making a model range fit for the coming emission standards

日本に輸入されたポルシェについては記載ありませんが、排ガスに関わるものなので、サウンドにも影響ありそうですね。

マカンのエンジン ポルシェ製?アウディ製?

巷でよく話題になるあの話です

ポルシェ製ではないエンジンがある?

「ポルシェなのに、ポルシェじゃないってどういうこと?」と感じる人もいらっしゃるかと思います。

まず、お話を知らない人に向けて説明いたします。 

マカンは2014年に登場して以来、現在まで毎年発売されています。

ただ、仕様や価格は都度改定されており、同じものが毎年販売されるとは限りません。

一部ではありますが、マカンのモデル変遷は、おおむね以下のようになります。

生産モデル概要
2014年4月~新発売
2016年3月~価格改定
・・・ 省略・・・ 省略
2018年12月~デザインなど仕様変更・価格改定
2019年10月~新デザインのマカンターボ発売
・・・ 省略・・・ 省略
2021年7月~マイナーチェンジ マカンT発売 マカンターボ廃止
・・・ 省略・・・ 省略
2023年11月~発売中 ※執筆当時

このように、マカンは年次改良を含めて、都度見直しされています。

この見直しの一環で、エンジンについても見直しがありました。

そのお話が本日のお話になります。

一部のモデルがポルシェ製ではないと言われています

生産モデルによっては、ポルシェ製ではなく、フォルクスワーゲン製やアウディ製のエンジンを採用しているというのです。

おそらくこの話は正しいようで、モーターファン等の専門誌で言及されているとのことで。

なぜ、ポルシェにフォルクスワーゲンやアウディのエンジンが採用されるかというと、ポルシェやアウディはフォルクスワーゲングループの一員で、各種コストや業務効率、性能、ブランド等の観点で総合的に判断した結果なのだと思います。

ディーラーの見解

「僕のマカンは、どこのエンジンなのだろう・・・」そう思った僕は、ディーラー担当様に聞いてみました。

「ネットでこんなことが言われています。僕のマカンのエンジンはポルシェ製ですか?」

「ポルシェが販売する自動車のエンジンは、すべてポルシェです」

完璧な回答です笑

そりゃそうですよね。

ポルシェブランドで売っている製品は、間違いなくポルシェです。

逆に考えても、例えば、OEMの供給元が「あの製品にA社のマークついてますが、弊社の製品です」なんてこと言ったら妙なことになります。

ポルシェブランドで売っているものはポルシェです。

たしかにそうだと納得しました。

そして、納得した僕を見て何かを感じられたのでしょうか。

帰り際に一言申し送りをいただきました。

「お客様のマカンは前期ですね。エンジンはポルシェ製です。」

僕は、どこかしら晴れ晴れしい気持ちで帰路につきました。